第5回 企画展「魔女からの手紙」

概要
⾓野栄⼦による絵本『魔⼥からの⼿紙』『ちいさな魔⼥からの⼿紙』(ともにポプラ社)の展覧会です。荒井良⼆、ディック・ブルーナ、和田誠、長新太、宇野亞喜良、スズキコージ、はたこうしろう、及川賢治(100%ORANGE)をはじめとする40人の著名画家が描いた原画55点を展示します。ギャラリーの中には12台のライティングデスクが並べられています。それぞれ個性の異なる「魔女の机」です。『魔⼥からの⼿紙』の主人公ヤヤは、ひいおばあちゃんのカスレさんが残した手紙の束を見つけます。そえられた紙には「思い出はひとつの魔法」と書かれていました。手紙は誰かへの魔法になります。あなたもお気に入りの「魔女の机」を見つけて、会場で手紙を書いてみませんか?
会期
2025年12月22日(月)~2026年4月13日(月)
会場
魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)2階ギャラリー
原画展示

『魔女からの手紙(6p)』ディック・ブルーナ・絵 © Mercis bv

『魔女からの手紙(22p)』児島なおみ・絵

『ちいさな魔女からの手紙(表紙・裏表紙)』及川賢治(100%ORANGE) ・絵

『ちいさな魔女からの手紙(3p)』及川賢治(100%ORANGE)・絵

『ちいさな魔女からの手紙(42p)』はたこうしろう・絵
【展示原画・画家名一覧】(掲載順)
荒井良二/ディック・ブルーナ/いとうひろし/大島妙子/鴨沢祐仁/和田誠/市川里美/五味太郎/黒井健/児島なおみ/スズキコージ/橋本淳子/国井節/長新太/高林麻里/宇野亜喜良/西巻茅子/杉浦範茂/スーザン・バーレイ/太田大八
及川賢治(100%ORANGE)/田村ゆう子/イローナ・ロジャーズ/島田ゆか/あだちなみ/藤岡ちさ/かわかみたかこ/植田真/サラ・ファネリ/おーなり由子/渡邉良重/たむらしげる/長崎訓子/出久根育/どいかや/nakaban/あんびるやすこ/垂石眞子/たんじあきこ/はたこうしろう
「魔女の机」お手紙ライディング体験コーナー


フランスパリのセーヌ川沿いに並ぶ「ブキニスト」は、パリの風景になじむように、緑色に塗装された小箱をお店にする、きままな露店本屋さん。ブキニストが販売するのは「ブーキャン」と呼ばれるペーパーバックや古本、雑誌、絵画など。一つ一つのお店の個性が異なることが魅力で、道を歩きながら眺めているだけでも楽しいパリの名物です。「魔女からの手紙」展では、ブキニストの小箱をモデルにしたライティングデスク「魔女の机」を用意しました。「魔女の机」の上には、一人一人の魔女の暮らしの道具やペンが並べられています。すべての机をながめてから、お気に入りの机を選んで、あなたも大切な誰かに手紙を書いてみてください。
原典作品紹介

左:角野栄子『魔女からの手紙』(1997.11,ポプラ社) 右:角野栄子『ちいさな魔女からの手紙』(2008.10,ポプラ社)
魔女からの手紙』は、主人公のヤヤが、ひいおばちゃんカスレさんのもとに届いた20人の友達からの手紙を読み進めるというストーリー。角野栄子さんのデビュー20周年を記念して出版された作品です。11年後、第2弾として出版された『ちいさな魔女からの手紙』は、いつも窓から外を見ているひとりぼっちのチラリちゃんのもとに、20人の友達から手紙が届くという設定です。カスレさんの手紙の束には、「思い出はひとつの魔法」という言葉がそえられ、大切に屋根裏部屋にのこされていました。
「魔法」は特別なことができることではなく、日常にあるもの。誰でもひとつ、魔法を持っている。と栄子さんはいいます。この作品では、カスレさんやチラリちゃんの心を温めた「思い出の手紙を送る」という「魔法」がしるされています。作中登場する40人の友達は、友人に素敵な魔法をかけた「魔女」でした。
2作品のイラストは国内外の人気画家40名それぞれが、魔女のいる場面を描いたものです。栄子さんは送られてきたイラストを見ながら、のちに当て書きのように手紙文をつけました。画家と作者の自由な発想から生まれた個性豊かな魔女たちのやりとりが、読者を不思議な世界へと誘います。
協力
ポプラ社